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2013.5.12 八潮児童センター見学会
    
       八潮児童センター見学会 概要
 

 

1.所在地・敷地

●所在地 品川区八潮5-10-27

●敷 地 1700

●開 設 昭和5841日(八潮児童センター)

   平成1741日(ティーンズプラザ八潮としてティーンズ事業を開始)

 

2.事業内容

・乳幼児親子クラブ(0歳児、1歳児、2歳児)

・幼稚園児クラブ(クラフト、絵画系)

・乳幼児対象事業(食育講座、プール開放、保健所連携、ベビーマッサージ他)

・小学生対象事業(ハンドメイド、バンド、食育、卓球他)

・中高生対象事業(ビリヤード、卓球、バンド、ハンドメイド)

・保護者対象事業(食育、リフレッシュ講座、父親参加アウトドア、親育ちワークショッ

プ他)

・地域関連事業(あんしんねっと地域分科会、区民まつり、青少年対策地区委員会との連

携、青少年委員との連携、夢さん橋他)

・その他の事業(食育事業、畑事業、赤ちゃんとのふれあい事業、観劇、子育て相談他)

 

3.職員体制(職員数)

・館長1人、副館長1人、児童指導4人(正規3人、週4日短非24h勤務1人)

 子育て専門相談員1人(週318h勤務)、施設管理員1人(委託職員4h勤務×6日)

・頭数としては8人で児童センターを回している。

・日曜日の運営は委託会社が行っている。職員は原則は出勤日ではない。ただ、イベント等のための出勤はある。委託の職員は4人。通常開館ということで、例えばボールの貸し出し等をやっている。また、月1回以上情報共有として区の職員が日曜に出勤する。

 

4.開館時間と休館日

・八潮は年中無休。品川区は基本、月曜から土曜が開館日。その中で25館のうち6館は日曜・祝日開館をする形になっている。1229日から13日は年末年始休み。その他どうしても館内の清掃や維持補修の関係で年に5日、臨時休館日がある。

・開館時間はティーズ館以外の16館は9時から18時。ティーンズ館は8時まで。但し、6月から7時までになる予定である。

 

5.品川区の児童館事情

・現在25館の児童館(児童センターと呼んでいる)がある。小学校が38校あり、1小学校に対し1児童館を当初目標に建て始めた。

・現在は25館の児童館のうち区の直営で運営している館が13館あり、館長館と呼ばれている。この13館のうち9館が中高生に主眼を置いた館であるティーンズプラザとなっている。残り3館は一般館と呼ばれている。

25館の中で館長館を除いた12館は全部委託になっている。但し、12館のうち6館は複合施設で12階に保育園があり、34階が児童館で、保育園の園長が館長も兼ねている館が6館ある。これをキッズ館と呼んでいる。キッズ館は乳幼児に主眼が置かれている。

・同じ委託館でも館長館の館長が分館として持っているのが3館あり、残りの3館は区の職員が1名だけ配置されている。なので委託館のうち9館が区の職員がいない館となる。

・品川区の児童センターは幅広く配置されていて、数か所を除くとだいたい子どもの足でも3分あればどこかの児童館にたどり着けるように分布している。

・床面積は3001700㎡。1700は八潮で、品川では1番大きい児童センターとなる。

・年間利用者数は25館全部で782,982人。1日平均は約100人。八潮は1日平均157人。

・八潮の来館者の内訳は、全体の45%が乳幼児親子、20%が小学校高学年。20%が中高生、15%が小学校低学年である。

 

6.品川区の児童館の歴史

・昭和40年、品川区内初の学童クラブが開設(大井、品川)

・昭和41年 品川区内初の児童センターが開設(中延)

・今から15.6年前、町中に中高生がコンビニの前にたむろしている事が社会問題になっており、そのような子どもたちをどこが受け入れるのかが課題の1つとなっていた。児童センターこそがそういった子どもたちを受け入れられる、という事から、児童センターは少しずつティーンズプラザに移行していった。

・平成18年 学童クラブは、すまいるスクールとして教育委員会へ移管する。

 

7.施設概要

F

・スポーツ室…天井も高く(2Fまで吹き抜けになっている)思いっきりボール遊びができ

る。

・ラウンジ…オープンキッチンでおやつ作りやおしゃべりもできる

・プレイラウンジ…公式のビリヤードとダーツが設置されている。

・ティーンズステーション…中高生専用の部屋。

・スタジオAB…バンドの練習が出来る部屋

J.Yashioホール…音響設備、照明設備のあるライブホール

 

F

・スタジオC…バンド練習。ミニライブもできる。

・クラフトステーション…陶芸、木工、ガラスアート、ソーイング等。ハンドメイド専用

部屋。

・ベビーステーション…未就学児専用ルーム。

・キッズステーション…幼児から高校生まで自由に交流できる部屋。

・プレイステーション…卓球や畳のコーナーでのんびり時間を過ごせる部屋。

 

F(屋上)

・スカイコート…網に囲まれた屋上球技コート。

・ギャラリーコート…イベント時はギャラリー席になる。夏は幼児専用プール場となる。

 

8.課題

・この地域の団地の人口が30年前の6割程度に減ってきている。品川区の中では少子高齢化のトップ地区。またその半面、1617歳など若くして子どもを産んでしまう子が1番多いのもこの地域。高齢者も多いし、非常に若いお母さんが多いのもこの地域。その意味での大変さもある。

・予算があまりない中で工夫しながら運営を行っている。

 

9.質疑応答

 

Q.要保護児童などの事案が出た時、児童館職員はどこまでかかわるのか?

A.とにかく傾聴する。インテークに徹する。児童館職員は振り分けることが仕事。資格もないし勉強不足。だから、聞いて「これがいい」「あれがいい」とは言わず、役所の機関につなげている。児童相談所・警察などの関係機関とは常に連絡を取っている。

 

QTeens支援事業の発案者は誰ですか?

A.職員。職員たちが中学生・高校生たちといろんなコミュニケーションを取ってそこから吸い上げる。品川には児童館の運営に携わる中高生運営委員会はない。その半面、イベントに対しての運営は中高生が実行委員会をして行うことは多い。

 

QTeens事業に関わる職員の育成はどのようにやっているのですか?

AOJT。例えば八潮は音楽活動をやっている。そこに異動してきた職員は音楽に関する知識がない・出来ないでは駄目。八潮に来たら覚悟して頑張って覚えてもらいます。

 

Q.施設の有効活用として午前中とか子ども以外に使わせてくれという要望はないのか?

A.ものすごくあります。でも一切させていません。なぜかというと特権意識が高まるため。何件か使っているのが何年も前からのがあります。ただ、今後の問題として施設の効率利用ということでタイムシェア。今は施設を縦割りに使っている。私は午前中は乳幼児と一緒に高齢者に使わせたい。今年品川区はゆうゆうボランティア(お年寄りに子どもたちに抱っこボランティアをしてもらおう)を始めた。お母さんが事業をやるときにボランティアで来てもらう。子育てが一段落した方に登録してもらい、こうしゅうを行い、各児童センターでボランティア活動をしていただいている。タイムシェアでしていく方向で考えている。午前中は乳幼児とお年寄り。午後は幼稚園児、夕方前から小学生、そしてその後は中高生。まさに「ゆりかごから墓場まで」を児童センターで見れる、という施設になればいいなぁと考えています。

 

Q.中高生はどの辺りから来館するのでしょうか?

A.中高生という呼び方は分けて考えることが前提。中学生は99%が八潮団地の子。まだ行動範囲が広くない。八潮地域特有の地理低条件もあって99%が八潮団地の子。高校生一気に行動半径が増える。高校生の八潮団在住利用者は1割。9割は外部です。そのうちの半分は区外。学校が品川区だからとか、ここに住んでいる子が新宿の学校に行っていてそこの友達とか。高校になると一気に広がりますね。

 

QOBの子とか来たり入館したりしますか?

A.来ています。基本、児童センターは18歳までの施設だから基本的に入館は出来ない。ただその中に「健全育成を支援する大人たち」という言葉が入れば入ることが出来ます。しかし自分が遊ぶために来るのではない。後輩とコミュニケーションを取るために、後輩に何かを教えるために、後輩を応援するために来ているという事ならOK。地域の大人でも子どもの面倒を見たいという目的の人はOKです。

但し、場合によっては受け入れない事もある。ちょっとこいつ駄目だなって思ったらわざと冷たくなって「いつまでもここにいたってお前がだめになるだけだからダメ」といって放り出す事もある。悩むよね。「ここにいていい?」って言われたら「だめ」「もうここはお前らが主役になっている場所じゃないから」。

 

Q5人の職員でこの施設を回すのは大変なのでは?

A.トラブルがあるかどうかというと、あります。そういう苦労はある。しかし、1番大事なのは「トラブルが起きた後にどう対処するか」。それをどういう風に最後まで解決させるかが大事。トラブルは職員がそこにいようといまいと起きるものだから。

 

Q.保護者からのクレームもあるのですか?

A.基本的にはない。クレームになる前にこちらから連絡を取ります。保護者とはたくさん話します。ダイエーに行っても知ってる保護者がいればこちらから声をかけます。このコミュニケーションが大切と思います。

 

Q.相談について、専用の部屋はありますか?また相談内容はどのようなものですか?

A.専門の部屋はあります。小さな相談室。基本的にそこの中に入ってまで話さなければいけないような重篤な話は子ども家庭支援センターに持っていくのであまり相談でつかうことはない。相談の件数としては軽微なものが99%で1月に20件くらい。相談は机があってどーんと構えて「どうぞ来て下さい」では来ない。相談員が親子クラブに一緒に入るようにしたりとか、お昼休みにご飯を食べている所にふらっと行ってなんとなく一緒にお茶飲んでたり…そういう形でおしゃべりに中から相談を受ける、その中で重篤になりそうなものがあれば「じゃあ、こういうところがあるからこういう所で相談してみる?」という風に言う。相談員は児童相談所のOBだったり資格を持っている方です。

 

Q.赤ちゃんとのふれあい事業はどのようにやっているのですか?

A.基本は学校との連携。学校に赤ちゃんが来たというサブタイトルをつけて7年前に始めました。現在は13の館長館全てで実施している。中学校が受け入れてくれている学校と中学校はだめで小学校でやっている学校、そして民間の学校つまり私立高校・私立中学校。もう1つはどうしても学校でのが受け入れが出来ず、中学生を児童センターに呼んでやっている所もある。どの館も平均5回ほどやっている。

 

Qyashi音クラブについて教えてください。

Ayashi音クラブは年度登録。5月からの上半期と11月からの下半期がある。毎月第13火曜と土曜に登録が出来る。今は20バンド程度100人前後いる。で、その子たちの中から毎週会議をやっていてライブも月に1回程度あります。児童センター側の職員が主催のライブ(ただし運営は100%子ども達)、または子どもたちが企画する企画ライブがある。企画ライブもyashi音クラブから出るので外の人がポンと来て「ライブやりたいんだけど」と言ってきても出来ない。なぜならここはライブ会場でも貸しスタジオでもなく音楽活動を通して子どもたちの自己実現と仲間作りを応援していく場なので、バンドの練習を主目的にする場ではない。バンドというのは子どもたちが繋がるためのいくつかあるうちの1つのアイテムである。だからバンドがメインではない。だから祭りでお店に入っている子どもの中にもバンドの子はたくさんいるのです。今日は自分たちはステージに出ないでおにぎり店やるよとか。

今あるバンドはみんなyashi音クラブのメンバークラブメンバーにならないとバンド登録が出来ない。それを説明して、それが嫌な子は八潮での音楽活動はできない。これらの説明は職員からしっかり説明する。どの職員でも出来るようになっている。「音楽だけじゃないよ。いろんな所でつながっていこうね。音楽はその1つのアイテムだからね」と。でもその中でここからプロになった子もいる

 

Q.会議には何人くらい来るのですか?

A.会議は来たい子だけ参加する。20人くらいかな?登録してても事情もあるから(学校の残されているとか、バイトがあるとか)なかなか来れなかった子もいる。でも気持ちがあればOK。リーダーだけいればいいとかでもない。ただ、半期のリーダー(仕切る子)決めは行う。子ども達が決める。また、ライブごとに頭は違う。このライブはAさん。このライブはBさんっていう風に。職員は誘導はしますけど決めるのは子ども達。

 

QOBの活用や講師の発掘方法について教えてください。

AOBについてはその年の卒業生で中心になっていたメンバーに「今度こういうのやるから頼むね~」といった様に連絡する。また、小学生バンドの指導を職員ではなくて、OBが来て教えています。毎週1回土曜日にバンド相談室というのをやっている。OB同士が連絡を取って「今週は○○が来るよ」といったように小学生たちに教えている。あとはOBもこのように来てくれて現役とティーンズルームで話をしたりとかのコミュニケーションをとって刺激を与えてくれたり、一昨年はOBが企画した「八潮の中心で愛を叫ぶ」という100人ちょっと集まったライブをやった。

講師の関係は音楽に限らず「人脈」。いろんな人脈を使って連絡を取る。来る講師も超一流を安く来てもらう。その理由は、子どもたちに「僕らは真剣だよ。君たちに教えるためにこれだけ努力をしているんだから教わる君たちも努力しなさい。いい加減な気持ちではきちゃだめだよ。」という事を伝えるため。なので機材もしっかりしたものも置いている。今日のライブのPAも超一流。

 

Q.職員や館長は専門職ですか?それとも事務職ですか?

A.館長の事務職は数人。専門職も多い。僕は児童厚生職で入っている。

今の職員は保育士の試験を受けて児童センターに入ってくる。だから20年保育園で働いた職員が児童センターに来る事もある。保育園と児童センターは水と油どころじゃない。なんでか?保育園はなくてはならない所。雨が降ろうが槍が降ろうが親が仕事をやめられないんだから必死になって連れていく。だから保育士は極端に言うと「待っていればいい」。待っていれば子どもが来る。そして子どもの安全安心を図って毎日仕事をすればいい。児童センターは「あったらいい施設」。雨が降ったら来なくてもいい。槍が降ったら誰も来ない。ではどうするのか?雨がふっても槍が降っても「おい児童センター行こうぜ」となるような魅力のなる中身を作らなくちゃいけない。大きな違い。児童センターは常に前に進まなくちゃいけない。保育園は常に前に進んだら危ないんです。逆に。今の維持をしてかなきゃいけない。それだけ違う。

 


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